2022年7月25日月曜日

目黒区のおかしな点 その1

 目黒区のおかしな点

1)住宅セーフティネット法

住宅セーフティネット法とは、正式名称を「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律」といい、低所得者や被災者、高齢者など、住宅確保に配慮を要する方に住宅を供給するための支援の指針を定めた法律です。2007年に制定され、2017年2月に大改訂されました。国土交通省のHPでは、

「我が国では、高齢者、障害者、子育て世帯等の住宅の確保に配慮が必要な方が今後も増加する見込みですが、住宅セーフティネットの根幹である公営住宅については大幅な増加が見込めない状況にあります。一方で、民間の空き家・空き室は増加していることから、それらを活用した、住宅セーフティネット制度が2017年10月からスタートしました。」

とあり、「住宅確保要配慮者に対する居住支援」を行うとしています。そしてこの「住宅確保要支援者」には、高齢者、障がい者などと共に被災者・東日本大震災被災者が含まれます。

またこの住宅確保要配慮者には、

「公営住宅の入居者の募集方法については、住宅に困窮する低額所得者の中でも特に困窮度が高い者について、地域の実情を踏まえた地方公共団体の判断により、入居者の募集・選考において優先的に取り扱うこと(優先入居)が可能です。」とし、「倍率優遇方式」「戸数枠設定方式」「ポイント方式」などを例示しています。

私たち「めぐろ被災者を支援する会」が支援する被告Aさんは、目黒区から訴えられる前から、目黒区に住居支援を訴えていました。少なくとも2017年以降、被告はこの「住宅確保要配慮者」であり、目黒区住宅課は、配慮・支援が必要でしたが、公営住宅等へのあっせんはせず、被告は都営・区営住宅募集に応募し落選し続けたのです。東日本大震災被災者で東京に逃れた方々のうち、都営住宅に入居された方々のうち、東京に住む続けることになった方々は、東京都のこの「戸数枠設定方式」による特別入居で入居。今も引き続き都営住宅に住まわれています。しかし目黒区と気仙沼市との友好都市関係に基づき、2011年震災直後から目黒区の区民住宅に入居された被告Aさんは、なんら支援をうけれず、被災県=宮城県が「みなし応急仮設住宅」としての家賃負担を打ち切ったとたん、目黒区から退去・打ち切り以降の高額家賃の支払いを求められ裁判に訴えられたのです。

この背景には目黒区におけるこの「住宅セフティネット法」への無理解、取り組みの圧倒的な遅れがあります。住宅セフティネット法は自治体に、セフティネット構築のため「居住支援協議会」を設置し、相談体制を整備するよう求めています。東京23区では、千代田区、文京区、台東区、江東区、大田区、世田谷区、杉並区、豊島区、北区、板橋区、練馬区、葛飾区、江戸川区など多くの区で設置され、相談窓口も設けられましたが、目黒区は今年2022年6月にやっと設置がなされた状況です。ひとり被告Aさんの問題にとどめらず、住宅困窮者、災害被災者への無理解・無関心が根底にあり目黒区は提訴に至ったのです。